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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页

青空文庫

「さあ、どうですかなあ」

帆村探偵は、松ヶ谷団長が、見かけによらない人情にあつい人であることを知っていた。だから、団長は団員からうらまれるようなことは、なかったであろうと思った。問題は、BB火薬にあるのではなかろうか。それから、もう一つ、彼の心に思い出されるのは、美人ニーナ嬢の怪行動だ。ニーナ嬢にぶつかったのは、石炭庫へ下る途中の通路であった。

BB火薬とニーナ嬢!

BB火薬というものは、昨年始めてメキシコのある化学研究所でつくられた、おそるべき強力なる爆薬であった。そのつくり方はもちろん、こういう火薬があるということまで極秘になっていたはずのものだった。それが、どうしたわけか、ある一部へ秘密が洩れ、別なところで、製造が始められたと、帆村は聞いていた。その問題のBB火薬が、雷洋丸の上で発見されたのである。

帆村の眼底には、消せども消せども、なぜかBB火薬と並んでニーナ嬢の顔が浮かび上がってくるのであった。

虚報

「船長。今も申しましたとおり、防空無電局では、あの時刻に、そんな怪飛行機追跡中だなんて警報を出したおぼえはないといっているのです。嘘ではなさそうです。