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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页
「おや、僕の本名をよびましたね。化けの皮がはがれては、もう仕方がありませんね。とにかく、いろいろと話がありますが、いつも房枝さんに、かばってもらったことについて、たんとお礼をいいますよ」
「あたしこそ、今日は救っていただいて、すみませんわ」
「なあに、あれくらいのことがなんですか。いつも房枝さんに、かばってもらった御恩がえしをするのは、これからだと思っています。僕は、いそがしいからだですから、間もなく房枝さんの傍をはなれるようになるかもしれませんが、僕の力が入用のときは、いつでも、何なりといってきてください」
と、帆村荘六は、房枝の手に、一枚の名刺をにぎらせたのであった。
房枝が、その名刺をみると、彼が丸ノ内に探偵事務所をもっていることが分かった。東京に不案内の彼女であったから、分からないことは、これから何でもかでも、帆村荘六にきくことにしよう。帆村から、すこしぐらい、うるさがられてもいいであろう。名探偵かは知らないが、今まで半年あまりも、彼とは同じ団員として、同じ釜の飯をたべているという形だったんだから。
(ああそうだ。そのうち折をみて、帆村さんに、あたしの両親の行方とその安否をしらべてもらおうかしら。