轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちちやくもをかたる

父八雲を語る

稲垣 巌

「父八雲を語る」ラジオ放送、1934(昭和9)年11月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,383 字 · 15 页

青空文庫

下男達は叫んだ。「芳一さん、芳一さん、あなたお化けにとっつかれたんですよ、……芳一さん。」

けれども盲の耳には其声が入りません。一層はげしく琵琶をかき鳴らし、いよ/\一心不乱に壇の浦の合戦を語りつゞけました。漸く寺に無理やりに連れ帰られてから、住職の前に一部始終を物語るべく余儀なくされました。話を聞き終ると和尚は言ひました。「お前は実に危険な立場にある。お前は幻に誑されてゐる。事実、お前は死霊の祟りを受けてゐる。一度その言ひなり次第になったが最後、お前はそれに逆ふ力が無い、遂にはお前は八つ裂きにされて仕舞ふ。」

和尚はその晩、法会の為めに外出しなければならなかったので、小坊主に手伝はせて芳一の体中どこといはず、胸、背、頭、顔、頸、手足、足の裏に至るまで、一面に般若心経のお経の文句を書きつけ「これで呪ひはいゝが、今晩例の武士が呼びに来ても驚いてはいけない。動いてはいけない、声を立ててはいけない」と芳一に厳命を下して、夕暮から小坊主をつれて出ていって仕舞ひました。

芳一は和尚の命令通り縁側に端座してゐましたが、前と同じ時刻になると例の武士がやって来て、荒々しい声で「芳一、芳一」