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かたすみのこうふく
片隅の幸福
種田 山頭火
「愚を守る 初版本」1941(昭和16)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 838 字 · 2 页
所詮、人は人の中である。孤立は許されない。怨み罵りつつも人と人とは離れがたいのである。人は人を恋う。愛しても愛さなくても、家を持たずにはいられないのである。みだりに放浪とか孤独とかいうなかれ!
一茶の作品は極めて無造作に投げ出したようであるが、その底に潜んでいる苦労は恐らく作家でなければ味読することが出来まい(勿論、芭蕉ほど彫心鏤骨ではないが)。
いうまでもなく、一茶には芭蕉的の深さはない。蕪村的な美しさもない。しかし彼には一茶の鋭さがあり、一茶的な飄逸味がある。
私は一茶の句を読むと多少憂鬱になるが、同時にまた、いわば片隅の幸福を感じて、駄作一句を加えたくなった。――
ひとり住めばあをあをとして草
(「愚を守る」初版本)