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かわ
牛をつないだ椿の木
新美南吉『牛をつないだ椿の木』。同一底本的分册已合并为一书。收入:川、張紅倫、久助君の話、正坊とクロ、嘘、病む子の祭、うた時計、和太郎さんと牛、屁。
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 75,647 字 · 155 页
生徒ばかりでなく、たいていの先生まで、石太郎を虫にしているので、石太郎は、だんだんじぶんでも虫になっていった。かれは、教室で、いちばんうしろに、ひとりでふたり分のつくえをあたえられていたが、授業中にあまり授業に注意しなかった。たいていは、ナイフで鉛筆に細工していた。またかれは、まじめになるときがなくなってしまった。屁の注文をうける場合のほかは。かれは、いつもぐにゃぐにゃし、えへらえへらわらっていた。
春吉君は、一ど、石太郎のことで、じつにはずかしいめにあったのである。
それは五年生の冬のことである。三年間受け持っていただいた、年よりの石黒先生が、持病のぜんそくが重くなって、授業ができなくなり、学校をおやめになった。かわりに町から、わかい、ロイド眼鏡をかけた、かみの長い藤井先生がこられた。
春吉君の学校は、かたいなかの、百姓の子どもばかり集まっている小さい学校なので、よそからこられる先生は、みな、都会人のように思えたのだった。藤井先生をひと目見て、春吉君はいきづまるほどすきになってしまった。文化的な感じに魅せられたのである。石黒先生もよい先生であったが、先生は生まれが村の人なので、ことばが、生徒や村のおとなたちの使うのとほとんど変わらないし、年をとっていられるので、体操など、ちっとも新しいのを教えてくれない