轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いちろうじん

犬田卯短編集二

犬田 卯

犬田卯『犬田卯短編集二』。同一底本的分册已合并为一书。收入:一老人、おびとき、錦紗、競馬、荒蕪地、沼畔小話集。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 51,383 字 · 103 页

青空文庫

と図太くも高をくくる癖がついている。これは実に百姓生活をしている人達には分らぬ気持であり、また事実でもある。余談になるが、浩さんへ無けなしの十円を出してやると、それがぱっと喧伝されたとみえて、やがて私たちは、金をのこして村へ引っ込んだ……という噂が立ってしまい、大いに面目を……否お蔭でさまざまな窮地に陥込むことになるのだが、それはあとの話である。

*    *    *

浩さんはなかなかいける口らしいと知ったのは、その十円を持っていそいそと帰って行った夕方、その妹が例の「ちょっとした」姿をして村の辻へ走るらしかったからである。――が、そんなことはどうでもいいことだ。ただこの妹については、村人の話だと、彼女ゆえに、浩さんのもとの女房はいわゆる「逐電」したのであり、どうも奴らは若い頃から「怪しかった」というのであるが、実は私たちも、最初は妹とは知らず、若いのと取りかえたのだろうと信じていたのだった。が、これも実はどうでもいいことだ。とにかく浩さんも村人なみに旧正月を迎える支度をするだろうと、妹のその姿を眺めたとき、私たちは単純な百姓の生活をむしろ羨んだのであった。