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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

11 一九四四年(昭和十九年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 174,521 字 · 344 页

青空文庫

カロリーを忘れるな」と。笑ってしまうわね。鞠躬如として答えます「ハイハイ、油気が入ればようございましょう、油は貴重品ですから」と。よって、油で御飯でも焙めてたべましょう小松菜の切ったのでもまぜて。こんなところが上々の部ね。

御報告いたします。御飯いためにタラを入れました。いいでしょうそれなら。タラは一切れで何カロリーとは云えないけれど、いいのよ。いいことは。

さて、今湯タンポのお湯をわかしています、これがわいたら上りましょうね、あなたももう下に格別用事がおありになりもしないでしょう。きょうはふとん干してポコポコです、風邪ふせぎに丁度ようございました。天気さえよければ干すので、色がさめて気の毒よ。動坂で使っていらした茶色縞ね、あれをまだ丈夫でつかって居ります。それと、西川かどこかでお買いになってあちこち旅行した草花模様の。あれ二つです。よく永年用に立って可愛いことね。色はさめても香はのこるというわけです。

お湯の音がしはじめました、ああうがいもして臥よう、ね、このようにわたしは養生やです、それは本当よ。まだ時間が早くてあなたはまだ本でもよみたいかしら。