轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
12 一九四五年(昭和二十年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,583 字 · 240 页
この時のよろこびは百合子に新しい世界史とその文学の情熱の創造を感じさせた。新しいよろこびと笑いが人類にもたらされたと感じた。
五月二十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
五月二十日
青葉雨というような天気になりました、薄ら寒いことね。袂がなかったりシャツがなかったりで、こういう冷気に一寸ぬくもりどころないようにお感じになっていることでしょう。人間の衣類には手と足との岐れのほかにゆとりのいるものだと思います。小鳥の羽根がこんな日にはふくらんでいるようにね。
昨日の朝三時半に起きて、黎明の樹の下道を長者町の駅へ出て、九時前帰宅いたしました。一昨日申告して、昨日切符買えるようにしておいて。こんな一番で帰ったのは、空の安全のためと一昨夕電報がうちから来て、もう一刻もゆっくりした気でいられなかったからでした。キューヨーアリ イソギカエレ、とよむと、わたしにとって本当の急用は限られて居りますからはっとして十日間の休養一ふきでした、その前日空襲がありましたから。家の焼けるのなんかはものの数でもないけれども、ね。帰って、日暮里の道を下駄をわらないように重いものもってヨタヨタ来たらむこうから笑って来る男あり、其は菅谷君でした。