轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

03 一九三六年(昭和十一年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 50,453 字 · 101 页

青空文庫

七月二十三日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 駒込林町より(有島生馬筆「ある種の肖像画」の絵はがき)〕

七月二十三日。きょうはお目にかかるつもりで出かけたところが、生憎加藤氏がお休みをおとりになっているので都合がつかず残念をいたしました。なかなか暑気が厳しいがいかがですか。盗汗は出ませんか。熱は? きょう中川によって昨今のまま一ヵ月お弁当をつづけておきました。夜具も持ってかえりましたが、あれではこの冬お寒かったのではなかったかと思いました。やっぱり細かいところが御不自由であったと考えられます。毛布のカヴァーは駄目です。夏向のカケ布団は昨年のがそちらにあると思いますがいかがでしょう? 白地の麻単衣をお送りいたします。来月十日過にはお目にかかれ〔約四字抹消〕

トマトはまだですか。

七月三十一日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕

午後の六時前。食堂で。 第四信

この数日来の暑気の烈しさはどうでしょう! 栄さんのところへのお手紙を見せて貰ったら、夏らしい気候になり、と書いてあったが、私はそういう余裕ある気分でこの暑さを感じることのできない心持でした。