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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

03 一九三六年(昭和十一年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 50,453 字 · 101 页

青空文庫

いろいろ勉強と努力と成長とがいります。

近日中に又面会に参ります。今夜はピヤチゴルスキーというセロの名手をききます。久しぶりで。パストゥル(科学者)の一生が映画化されて来て居ります。これも見たいと思う。お体のことは本当にあなたの御用心を願うことしかありません。

附

私の体のことをこの前の手紙に比較的くわしく申しましたから、きっともう安心していて下さることと存じます。

改めて、もう一度。ラッセルはもうすっかり消えました。過労のための一時的なことでした。心臓は特別の新しい徴候なし。過労するな、過労するなが信条ですが、過労せぬということは仕事をよく塩梅することなのだから 着々とやるだけはやって居ります。

今は風邪で ズコズコですが、これは大したものではありません。どうか御安心下さい。

十一月十一日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕

十一月十一日 水 第十九信 曇天

午後二時外苑で三万人の学生や青年団が音楽祭をやって君ガ代をうたっている ラジオ。

きのうは、先月のときから見ると、やっとあなたらしいお顔つきでした。窓があいて、一寸のり出すようになさったとき、少しよくなっていらっしゃるのを感じました。