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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
03 一九三六年(昭和十一年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 50,453 字 · 101 页
○毛糸のシャツ、白メリヤスの下シャツをお送りいたしました。
〔「戦争と平和」を読んだという項の上欄に〕○これは特別な勉強よみで、作品のコンストラクションの解剖を、ノートしつつよんでゆく方法です。
漱石でさえ、交響楽は書けなかった、交響楽を書きたいと思う。
十二月五日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
十二月五日 午後 第二十二信
あなたはベッドの上で手紙をおかきになる[自注23]とき、どんな恰好をしておかきになりますか。あまり工合がよくないものですね。今私はこの手紙を、二階の部屋のベッドに仰向きになって背中の方へクッションをつめて、板に紙をのっけてかいているのですが。そして、こんな形で手紙をかかなければならないことについて、小さくなっています。二日の夜、夕飯後、急におなかが苦しくなって、咲枝は経験者だもので、早速盲腸と診断し、お医者を呼び、冷やし、それでも盲腸としては大分軽い方です。この頃ずっと仕事に熱中しているから養生生活であったのに、何と可笑しいでしょう。一身同体という証拠ででもあるのでしょうか。手術はせず、内科的になおしますが、いろいろ面倒くさい。