轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
04 一九三七年(昭和十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页
いろんな、文学的なおしゃべりや何かとは一寸別にして、この手紙を出したい心持があるのです。
私は自分の誠実さによってだけ遅々としてものを理解し、本当に会得してゆくたちの人間だから、あなたは良人としてある場合は少なからぬ忍耐をも必要とされます。あなたの忍耐の結果が必ずしも無でないところに私としてのよろこびもある。暑い最中に暑くるしいお礼をのべておかしいが、お互に暑さに堪えている折からのおくりものとしてはなかなかに新鮮なものなのですから、どうぞおうけとり下さい。
八月十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(はがき)〕
この頃ハガキが新しくなりました。見本をかねてお医者様の名前をお知らせ申します。慶応大学病院外科元木蔵之助氏です。この方は日本での権威です。では又手紙は別に。
八月十五日午後 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
八月十五日 日 第二十四信
きのうは、腰をかけていらっしゃれたからすこしは疲れがましでしたか? 本当におやせになったけれどもやせたことだけに別に拘泥せず、熱が高くないことの方を寧ろプラスとして見るべきなのでしょうね。あなたの御努力も、そういうところに目立たぬながらやはり決定的な価値であらわれているのだと思いました。