轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

04 一九三七年(昭和十二年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页

青空文庫

今にお目にかけましょう。伯父さんのような方にふさわしい晴れて花のあちこちに咲いた日でした。

四月二十日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 豊島区目白三ノ三五七〇より(はがき)〕

四月二十日夜。きょうの午後慶応大学病院へ行って、盲腸の手術のことについて、以前から私の体を診て貰っている医者に相談したところ、切開することは中止するようにとのことで、手術はおやめです。目下盲腸は癒着しているからつれたり何か無理がゆくと工合わるい程度であるのに、余り丈夫でないのに切るのはというわけです。御心配なさっているといけないから、とりあえず。

四月二十一日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 目白より(封書)〕

四月二十一日、荒っぽい風の日、こういう風は大きらい。

むしむしとして、埃いっぱいで。落付かぬ天気ですね。きのう夜ハガキを書いた通り、私の盲腸は手術しないことになりました。自分では弱い体という風に考えずにいるのに、もし万一という条件がつくとは何だか可笑しいようです。盲腸もこう癒着して居れば、急に腹膜をおこすこともそうないだろうということだから、マアいいにしておきます。今、ベラ・ドンナという鎮痛のための薬を少しのんで居ります。