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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
急に思いついたことですがペンギン叢書のカタログが日本にあるかしら。丸善でペンギンブックは大量扱っていますが、なかに或は興味のおありになるのがあるかも(小さい可能性)しれません。こんどよく見ましょう。
いつかの二冊の本は、三月二十四日予約申込ズミです。念のために。薬のこと心にかけて下すってありがとう。あれも統制ですものね。一滴一滴大切に大切にのみこみますから、まるきり切れるような不注意は致しません。
四月八日夜 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
四月八日 第三十一信
けさ云っていらした手紙、もう来るか来るかと思って待っているのにまだ来ません。さっき一寸外へ出てかえって来たところへ配達夫が何か四角くて白いもの入れて行くところだったので思わずにっこりして、うなずいて挨拶してやったけれど、出して見たら本やからの手紙。古書即売!
三日から後、五日(二十九信)六日三十信と書きました。きょうは可笑しいことでさっき出ました。家のこと。私の女学校のとき習った国語の先生で或女のひと『源氏物語の女性』という本を出している人が、見えて娘さんの結婚の話が出て、それにつれ私の家の話が出ました。