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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
お茶をのみに喫茶店に入って日本の女の人と喋って日本ダンサアとダンスでもすれば、ぴんからきりまで日本にいると大して変りませんそうです。一歩外へ出ればチンプンカンプン。満語のお稽古に着手の由。書籍定価の一割高。印刷費、名刺など倍。物価総体三割ぐらい高の由。支那街での支那料理とタバコだけやすい由。畳一枚五円―七円の家賃の由、それでもないそうです。
東京では十万戸の家が不足しているそうです。稲ちゃんたちの家がないわけですね。国ちゃんが離れをかす気になるわけですね、一畳 1.50―2.00 が今日の普通だそうです。離れ40で、借りてがおがむ由。おそろしいようなものです。尤も畳数にすればやすいわけですから、標準より。
寿夫さんも、専門の農業に腰を入れてとりかからざるを得なくなって結構です。科学的研究は未開拓だそうです。社会が複雑でしかもおくれた方法でやられているから。地方的に又民族的に、様々の微妙な錯綜があるそうです。
いつか「孤児マリイ」という小説御覧になりましたね、あの作者オオドゥウの「マリイの仕事場」というのが、又堀口さんの訳で出ました。
巻末に、「孤児マリイ」