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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

大変、かけるものの工合などなおしたいと思います。今はもう夜ですから、夜の仕度にすっかり着物のしわなどもなおしてあげて、ね。目をつぶっても明るさが頭の中までとおる感じのとき、畳んだハンカチーフを目の上におくと平安ですね。

[自注16]古田中――古田中孝子。百合子の母の従妹。文学・美術・演劇を愛好した。重症の糖尿病で永年患い、一九四一年十二月死去。

五月二十五日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

五月二十五日  第四十一信

又ひとしきり雨が降って来ました。さっきそちらの部屋に切り花が届いた刻限。芍薬ですか? 今朝夜着をもって行ってね、余っぽどお目にかかろうかと思いましたが、折角三十日とプランを立ててしずかにしていらっしゃるところを急にガタつかせてはわるいと思って辛棒。お工合どうでしょうか。どうか悠々と御養生願います。きのう『朝日』に公判の日どり七月十一日より火木土と書かれて居りましたが、それらのことはいずれ三十日におめにかかって。

私の方、大体相変らず。一寸眠り工合が妙になって居ますが、勿論大したことなし。気にせずあたり前にしています。

一昨日は、『政界往来』