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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
をかき、そういう家族の雰囲気、経営、そこに入り切っている自分の妻を、どのような心で感じているでしょう。
では又明朝。毎日すこしずつ書く方がやっぱりいい、そうお思いになるでしょう? 来週水曜といえば明日から五日。丁度六日ごろ一区切りつきますから。ひさ七日ごろかえります。
六月三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
六月三日 第四十六信
今は大変珍しいところでこれを書いて居ります、上野。図書館の婦人閲覧室。これからすこし明治二十何年という時代の婦人作家たちとおちかづきになるところです。今の花圃夫人が書いた「藪の鶯」というのなどから。
夕刻までに終って、林町で夕飯をたべるプランですがどうかしら。きのうは大変おつかれになったし、その上きょうは大分むし暑いから割合気分はよくおありにならないでしょうね。この大テーブルの右端にセイラーを着た女学校の生徒が二人居ります。どのテーブルも五人ぐらいずついて、私の紙の番号は46。子供のとき来て、「十五になっていないでしょう」と云われ、「なっている」と云ってよんでいた頃を思い出します。その頃は読む場所もこんなに堂々とはしていず、はばかりなどこわかったものです。