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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
云々ということばを対比して、それが、明治四十年代初期という年代の日本と、ニイチェのロマンティシズムの中で息をしている成瀬仁蔵のフェミニスムと天才主義にそだったらいてうその他を考えると、実にその矛盾においてよく青鞜というものがわかります。その意味でなかなか面白い。
キリスト教の習俗の結婚が神聖であると思われていることに対する不満、箇人の選択による恋愛と結婚とが一致すべきものであるとの要求、又婦人が性についてリアリストになる必要を云っているところ、よい恋愛と結婚のよろこびが心と体のものであることを云っている点、旧いものからの婦人の目ざめは感じられますが、ここでは恋愛が至上であるから、貧しい人々にも恋愛をよろこぶ資格のある人にはその権利をみとめ、富んでいてもその資格ないものには認めないという、そういうフォカスが当てられているところ、これも成瀬門下の考えかた――つまり彼女たちの境遇からの感じかたとぴったりしていたのでしょう。
下巻までよむと、恋愛における箇人選択の主張と、子供というものの公共性とが、どういう調和においてみられるのか分るでしょう。上巻の半まででは分裂があるだけです。