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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
なかなかこういうことは、自分でも思うようではないから滑稽ね。十八日から防空演習ですが、明日は伊勢さんに会いに出るから、そのかえり目白によってすっかり指図して、或は明晩は目白へ泊るかもしれません。肝心のお産婦さんがフラフラなので、こっちもそれにつられて可笑しい有様です。五分計の一番たしかな方法は五分ですっかりあがってからもう五分つけてそのままにしておく。そうすれば決して間違うことはない由です。
それから調べておくように仰云った規定ね。左のようです。
(何て真夏らしいでしょう。こんな日光。その日光の中のこんな雨。白い蝶が一つ低く、苔や小笹のところをとんでいる庭の眺め)
刑事裁判事件の報酬規則。
第一審事件ノ手数料ハ左ノ区別ニ従ウ
一、拘留又ハ科料ニ該ル事件ハ金三十円トス
二、罰金ニ…… 金五十円
三、長期一年未満ノ懲役又ハ禁錮ニ……金百円トス
四、前各号以外ノ刑ニ該リ予審ヲ経ザル事件ハ金百五十円トス
五、予審ヲ経タル事件ハ 金三百円トス
六、併合罪事件ハ最モ重キ刑ニ該ル事件ノ手数料ニ其他ノ事件ノ手数料ノ各三割ヲ加エタルモノトス