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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
伊勢さんのひとの方のことも見当つきましたから、早速そのように相談いたします。兄弟の方々が何とか出来るのですって。そしてその方がやはりよろしいでしょう。困難なことではないのだそうです。でもやっぱり血統とでもいうように大まかなのね。それに台湾だの朝鮮だのですから無理もないのでしょうが。
八月二十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕
八月二十日 第八十信
只今電報いただきました(午後二時半)。きょうは日曜日故明日早速そのように手くばりしてなるたけ早く製本させましょう。
きのう栗林氏に、兵役法についての時日のこと、総目録のこと、期日表のこと、など話し、紙に書いたのを渡しておきました。月曜日に参る由。モオラアの本ともう一冊二冊かペンギンも明日送り出します。実際このペンギンには笑ってしまう。
きょうはすっかり夏の終りの雨の日という感じですね。稲ちゃん、鶴さんが熱を出してかえっているそうです。子供二人は保田。こんな雨の日、海岸の家で子供たちの心持、考えるとなかなか面白い。私は七つぐらいのときかしら、一夏大磯の妙大?寺という寺の座敷をかりて弟たちとつれて行って貰ったことがあって、そのときの雨の日の気分が思い出されました。