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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

もう一つの薬は、何と血行をよくするでしょう。神経にもよい作用を及ぼします。のんでいるときや、すぐその後は、体のなかが暖くなるような感じで。オリザニンもそうです。こっちはアルコールが入っているから。

木曜日、芝のひと面会に行きましたか。土曜日と間違えたのは、午後に行ってもよいということから何か話があの場でこんぐらかったのね(私がお話していたときのことよ)。

『家庭医学大典』もう届いていましょうが、如何でしょう。『医典』の方駄目ときまれば、南江堂の予約をとり消したいと思います。どういうものでしょうね。

今、前の高村さんで、子供のためのレコードをかけています。太郎のレコードと同じように妙な音を出している。段々のろのろとなって、フーウと低くなって、又あわてて甲高い音になったりして。目白の方はよその家、子供がいないというのでもないのに、こういう音はどのうちでも余りさせません。その点いろいろ面白い。私はいつ頃目白にかえるか、一寸不明です。十日までこちらにいることは確実ですが。全く身元不明の派出婦をおくことは、別な面から考えはじめました。それやこれやで。ひさが手紙をよこし、年の若い娘で或は来るこがあるかもしれないと云って来たので、早速そちらへたのみました。