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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
そんなものでない感情のリズムとして情感としてのそういう思意性の日本の文学にかけているところは自然主義からのことで、そこには歴史のなかでの一般生活のありようが反映しているわけです。
今日では日本らしさそのものの内容が変って来ているという点を結論としてかいたのです。だって何と妙でしょう日本のこと日本の人間、日本語でかかれた小説がホンヤク小説なら佳作だというような仮定! ああいう人たちの感情は何かプロフェショナルにかたまっていて頭をなでてやる高さの作品にはいいが、肩が並び或はすこし高いとどうもうけつけないのね。作品の出来、不出来以外に或るそういう微妙なものがあります。女、というところがぬけないのね。
マア、こんなことはいい。私は私として書くだけですから。
そちらの黄菊はいかがですか、まだよく咲いて居りますか。そしてすこし匂うこと? 三四日前下の四畳半の本をすこし片づけていたらスケッチ帖が出て、寿江子が茶の間の庭をかきかけたのが出ました。むずかしくてよくかけないと放ってあって未完成ですがそれでもやはり面白いからお送りいたします。狭い庭の感じはわかりますから。