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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
詩趣は高いものなのです。惑溺的なリズムは決してないもので、様々の美しい細部の描写にしろ、それは文字どおり品質のよい芸術がそういう描写において常に失わない精神の諧調と休安とを伴っているものです。詩集にふれて、あなたでさえこうおっしゃると、何となし笑えます。無邪気な意味でよ。
こまごまと心配という形では考えて居りません。でもこの間あなたが「時々又改めてそう云ってやらないと」と云っていらしたようなところもあるかもしれないから、おとなしくありがたいと思って「ええ、そうね」と答えましょう。
二頁ということについては、きょうの私のうれしい顔が語っているとおりです。この前の表の90頁に、どんなにえらい思いがこもっているか。でも二頁は全く最小限ですね。これはもう底をついている量ですから、これ以上いろいろの事情に応じてふやしましょう。
本当に書いたものは読んで頂きたいと思います。あの十月評(もう三年前ね)にしろ、ああいう一部分だけ出ていたわけですしね。
この頃の月評は大体お話のほかです。式場隆三郎というような先生がかつぎ出されるのですから。真船にしろ、ジャーナリスティックな顔ぶれの意味ですから。