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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
でも私としてはやはりあなたのお気持をききとうございます。――たまには私も宿題を出してあげなければね。
それから本のこと、電話できいてわかりました。あの手紙が今度見つけた本に入っているのです。その本はいろいろの文章をあつめてあるのですが、その中に確にあれがあります、御安心下さい。
今夕はこれから御飯たべて、富士見町へ行きます。そして、かえったらおふろに入ってグースーねるのがたのしみ。でもこの頃全く徹夜はいたしませんよ。手の膨れもあれ以来平穏です。
詩集をユリが耽読しすぎはしまいかと思っていらしたのではないでしょうか。そう思って、あなたが当分、詩の話はおやめとなったりすると私は悄気ます。そういうことは絶対にありません。この前の手紙かで云ったように。ですからどうぞ、そちらにある詩の本もおねがいいたします。
では明後日ね、本当に落付かぬ気候ですからお大切に。
十一月十八日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
十一月十八日 第一〇七信
十四日づけのお手紙けさ。ありがとう。そうね、この前のは四日に頂いたから十日ぶりです。
手の工合ひきつづき平調です。