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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

稲ちゃん一つ、中里、真杉静枝、円地だけ。林でさえ一つ。(文芸)綜合雑誌は中野一人。では又ね。まだ年のうちにかきます、あなたは?

十二月二十七日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書 速達)〕

十二月二十七日  第百十七信

きのうそちらへ出かけました、玉子つきましたろう? どんな玉子? 丸々として居りましたか? たべられてしまうのだからいいこと。

さて、お加減はいかがでしょう。私のかぜやっとぬけました。かぜがぬけたばかりでなく、きょうもさっきからしきりに気がついて眺めているのですが、腕や手がいやに白くなくて、薄赤くなっていて、私は随分久しぶりで、こんな自分の腕のつやを見る心持です。白いばかりでいやとよく思っていた、それが血色がさしているの。理研のレバー、それから御持薬、こんなにきくのでしょうか、ともかくこれは結構です、どうか御よろこび下さい。体に十分気をつけて、又よく勉強いたしましょう、来年も。

従妹というもの、ましてたかちゃんのような子、一緒に暮すにいいものね。そして寿江子より、三つも年下のたかちゃんの方が、ずっと日常のたすけになること考えて、生活についても考えます。