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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

どんな? いいでしょう? どうぞ御機嫌よく。元日のお雑煮は今年は、あなたのお箸が私のお箸という工合にします。私はちょっとおしゃれするの。そして、そこにいるような顔してそちらを見るのよ。忘れて、そっぽ向いたままでいらっしゃらないで下さい。あの写真についてはお言葉なし、ね、どうして? まだどっかにおかれているのでしょうか。余り自然で、却っていや? それは又その心持としてわかるところもあります。

子供たちへのおくりものは、太郎にフクチャンの羽子板。窪川の健ちゃんには大きい少年っぽい凧。達ちゃんには赤いリボン。各※(二の字点、1-2-22)に純毛の手袋一組ずつがついています。あなたのも一組あるの。てっちゃんの子供の靴下も中野の子供のくつ下も買っておくのです。二月ごろ誕生日が来ますから。稲ちゃんは二十八日ごろかえるでしょう、おし迫って大変ね。窪川のおばあちゃんには真綿の上足袋をあげました。私は子供と年よりのサンタおばさんですから毎年。健ちゃんたち久しく行かなかったし母さん留守で淋しいところがあり、凧もって行ったらとび出して来て、タア坊はかじりつきました。私は子供のよろこぶ顔みるとホクホクよ。