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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

10 一九四三年(昭和十八年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页

青空文庫

又あやまらなくてはならないのは何と辛いでしょう。だからペンさんはもうおやめでよかったのよ。心此処に在らず、でしたから。早速『文化』が行くようにいたします。

療養新道は、医学書の部分をみんな見ましたが、こちらにはありません。売りもしなかったと思います、体についての本はもうみんなとっておくことにしましたから。さがしましょうか? もう一冊。御返事下さい。発行所はどこだったかしら。七月から本を買うのは大したことになってね、本やは現物を並べないのよ、カタログです、それで注文して買うの。例により日限とかいろいろあって、まるで風変りなことです。日本にはいくつも世界に類例のないものがありますが、こんなのもその一つね。食うものはなくても本はドシドシ出ていたところもあるわ。紙の関係でしょうが。

さて、一寸ハガキで書いた、バタバタのことお話しいたしましょう。火曜日に(二十九日)私は始めて一人で出て肴町へゆき、岩本のおばさまへのおみやげ買いました。お孫さんには結婚のお祝いをかねて、コンパクト、母さんにも。女の子二人にブローチと花、おばさま御自身には紐とよそゆきの袖口。男の子には水遊び道具と切符遊び。