轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

10 一九四三年(昭和十八年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页

青空文庫

家族としても、ね。いろんな面がきりつまれば、食うために生きているのでない以上、自分たちの精神生活の評価が行われにくい環境で勉強をつづけてゆくことは苦痛となるでしょう。女がものを書く、それで生活している、それなら分るようなものだけれど、それで食えもしなくて、働きもしない(やはり机に向っている)ということは、普通の生活の中ではなかなか感情がすらりと来ないものなのよ。ですから、女のものをかくということには大したむずかしさ、生活の感覚からしめつけて来るむずかしさがあって、食えるだけに書けないと女はすぐそんな位なら洗濯一つもした方が、子守りして台所した方がうちのために役に立つということになるのです。女の生活というものは百人が百人そこで立っているのだから。

ですから、個人個人の親切心や思いやりやをありがたく思ってもそれよりつよい習俗の力が時間を重ねるにつれ、日常生活の上には重い力を振うようになるのが常です。その実例は、多くの生活波瀾を経た婦人たちが、安穏に食えそうな故郷をみなはなれて、東京で埃っぽい生活ながら自分の生活を営んでゆくことをとっているのでもわかります。