轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

02 一九三五年(昭和十年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,805 字 · 40 页

青空文庫

春の風にふらふらやって来て、おまけに近所の原っぱへ私を散歩につれ出そうとしたのですって。それどころでなく、夜はお魚のスープをこしらえて御飯をスーさん、栄さんとりまぜ四人でたべ、丁度送って来た『文学評論』などよみ、いろいろ話し、十二時頃になった。

行って送ってあげようと云っているうち、私はきょうの用事を思い出しついでに一つふろ敷包みをこしらえてそのまま林町へ来ました。配膳室のドアをわざとコトコト叩いたら、内の連中は時間が時間だし何が来たのかと一どきにこっちを見ている。そこへ私が現れたというわけ。

けさは、二階に眠っていた父(私の来たのを知らないから)がおきたのをききつけて、洗面所でバシャバシャやっているうしろからいきなりびっくりさせ、それから電話を一つたのんで、又こんどは二階のおやじさんの空巣へもぐり込んで例によってお眠りブー子をやって、おきて来たら、すぐ私のいつも坐るところのテーブルに、あなたからのお手紙(父宛に、三月十四日にお書きになった分)がのっていた。封が切ってある。父が読んで私の目につくところにわざと置いて出かけたのでした。家じゅうのものがよみ、特に咲枝は太郎の生後百日目の食い初めのお祝い日であったのでうれしかったらしく、夕方、ハガキであなたへのお礼を書いて居りました。