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げんだいのしゅだい

現代の主題

宮本 百合子

「世界」1946(昭和21)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,914 字 · 24 页

青空文庫

そこに、あの時代のブルジョア・インテリゲンツィアの限界もあったのである。

併行して、日本の若き人道主義たち、「白樺」の人々は、彼らの青春の祝福されるべき反逆性の頭上に一撃を加えられた。当時大逆事件と呼ばれたテロリストのまったく小規模な天皇制への反抗があらわれ、幸徳秋水などが死刑に処せられた。自由民権を、欽定憲法によってそらした権力は、この一つの小規模な、未熟な、社会主義思想のあらわれを、できるだけおそろしく、できるだけ悪逆なものとして扱って、封建風のみせしめにした。みせしめは、近代日本が法治国であるという一応のたて前から、いつも法律によって、裁判所において、公判廷で行われている。「白樺」の人々は、この事件の扱いかたで、権力者が期待したとおりの影響を蒙った。彼らは、当時の日本をいっぱいにしていたやぼな社会的・階級的ごたごたからは目をそらして、世界人類の能力の輝やかしい可能とそのおどろくべき発露に関心を集めた。これは、日本の知性の歴史にとって忘られない明るさ、つよい憧憬、わが心はこの地球を抱く思いをさせたのであったが、その胸のふくらみにくらべて脚はよわく、かつ光栄ある頭蓋骨をのせるべき頸っ骨も案外によわかった。