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げんだいのさじゅつ
現代の詐術
「個性 第一巻第一号」思索社、1947(昭和22)年12月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,471 字 · 25 页
その大衆は又、あの戦火にやかれ、危く生き残って、黙々、嬉々たる大衆である。彼らの生活力は驚くべきものだ。この欠配に、どうして生きているか。生きているではないか。誰も革命は起さない。平然と生きている。生きられる筈はないではないか。額面通りなら、どうしても、死なねばならぬ。政治などは何のたしにもならぬ。平然として生きているものは大衆である。
オレはエライ。大衆は何たるバカだ。そういう者は再び東条英機となるだけだ。その部下のモロモロの小役人になるだけなのである。
正しい思想というものは、オレと大衆の優劣感のあるところから生れたものではあり得ない。大衆の代りにブルジョアがあってもならぬ。つまり、たゞ人間、キリストは原罪をとき、孔子は生活の原理に仁を見た。ともかく人間から出発しなければならぬ。何千年逆転してもかまわぬ。モロモロの何千年の時間、カミシモはすべてムダであったと見なければならぬ。
大衆は原人であるか。原始人ではない。又、原人でもない。つまり中世的原人だ。貴族の権力に追いまくられて脱税逃亡、戸籍をごまかし、供出をごまかし、あらゆる手をつくしてゴマカシまわり、徒党をくんでタバコを買い占め、パンパン座をつくる、根は中世的原人で、電燈とガスがなければローソクと薪で間に合い、人生それだけのものときまれば、それだけ