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げんだいてつがくこうわ
現代哲学講話
戸坂 潤
在线阅读戸坂 潤《現代哲学講話(げんだいてつがくこうわ)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 268,337 字 · 522 页
相対性理論はそして、恰もこの要求を充している。――相対性理論は元来、運動の絶対性の否定から、歴史上出発している。甲に対して乙が運動していることは、乙に対して甲が運動していることと同一でなくてはならないということがその要請なのであった。甲の運動も乙の運動もだから相対的な優先権をしか持たない。両者はいずれも相対的である。だがそれだけではない、もはや甲の運動とか乙の運動とかいう、孤立した独立の運動は意味がない、運動とは或る意味に於て甲と乙との間の運動でしかない。甲の運動と乙の運動とは、甲と乙との運動として、統一される。この統一を現わすものが座標変換系――空間(又時間)座標の変換によって、甲の運動が乙の運動にまで融通される処の体系――なのである。
運動が或る意味で甲と乙との間の運動だとは云ったが、それは併し、甲とか乙とかという運動の主体がなくなると云うのではない。そういう現象論的な純粋運動――フィヒテによって提出されマッハ主義によって物理学的となった――の概念を要求しているのではない。運動するのはあくまで甲か乙かでなければならない。ただそのどれかで是非なければならないということがない、と云うまでである。