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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页
けれども、神界は厳格なものである。彼は白衣の若者たちを目でさしまねいて、正宗菊松を支え、半平たちから距てさせた。
「たとえ俗界にいかようなツナガリがあっても、霊界は別儀であるぞ。不敬者め。静坐して、正宗の戻るまで、霊界に思いを致しておるがよい」
こう云って、白衣の若者に正宗菊松をひきずらせて、奥へ消えてしまった。あとには、監視役の白衣の若者が、まだ二人、目玉を光らせているのである。
その五 坊介はガイセンし雲隠才蔵は深く恨を結ぶこと
正宗菊松がつれて行かれたところは神殿であった。マン幕をはりめぐらし、正面に三柱の神が祭られている。神前に供えられた何十俵の米、何タルの清酒の山。天草物産が一山つみこんできた献上品など、どの片隅へかくれたか見当もつかぬ豪勢さである。
先客が五人、左右に並んでいる。いずれもたゞの信徒らしく、モーニングや紋服をきこんでいる。中には品の良い老婆も、爺さんもいた。いずれも然るべき社会的地位のある人品で、ニセモノ重役の正宗菊松は一目見て、すくんでしまった。
カイゼルヒゲをピンとはねて、大納言のようにふとった老紳士が真正面に坐っている。