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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页
米屋や炭屋はサラリーマンのスィート・ホームの勝手口や台所から見たら一等目立つ存在だから、そこにこの中小商工業者なるものの社会的に有利な点があるのだが、ところで郷男達は、この反産運動に加担して、産業組合にケチをつけようとするのである。だからここでは、明らかに、大商工業と中小商工業との区別よりも先に、商工業一般と農業との区別対立が問題なのである。「都市対農村」主義から行くと、郷男と炭屋の手代とは同じ階級になるのである。
尤も産業組合主義はすでにこれより前、山崎農相自身の口から、丁度郷会頭の注文と同じような結果になるような制限を加えることを、約束されていたものである。配給機関を侵食しないようにするという約束が出来ているのである。――それだけではなく、産業組合の事業は官庁の監督権に束縛されて、それほど自由には羽を延ばせないのが事実でもあるらしい。たとえば生産過剰のぶどうをぶどう酒にしようとすれば、組合としては醸造の許可を得ることが出来ず(山梨県)、またぶどう汁にすれば大蔵省から課税され(富山県)、馬鈴薯からのアルコール製造が許されなかったり(群馬県)、富士絹の販売は織物消費税に基く検査を要し(広島県)、麹の製造は醸酒の危険ありとして不許可となり(秋田県)、牛乳を販売するために産業組合が滑稽にも同業組合に加入し