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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页
組合員数 三六 四八 一一 〇 五
ということになるという。後藤前農相のいわゆる新官僚が産組第一主義と農業統制諸法案とでもって手に入れようとした階級が何であるかがわかるが、実際農村の「自力更生」もこの地盤に立って初めて一応観念上の意味を持つことが出来よう。現に東北地方農村工業振興費によって農村共同工場が五六十カ所設置されるそうだが、その経営主体は矢張りこの産業組合ということになっている。
ところがこの新官僚的中農主義が議会によって、所謂中小商業者の利益の保護の側へ、多少移行したという現象を呈したと見做される。政友会の議会政治上の駆け引きなどは大した社会的意義のある動因とはなり得ないから、結局において中農主義的統制主義の修正が起きたのだということになるのである。
だが所謂中小商業者ということが実は眉唾ものなのであって、例えば蚕糸関係統制法案で一等損害を蒙ると考えたのは他ならぬ製糸業資本家だったのだし、それに米商人だって果して中小商業者につきるかどうか疑問なのだ。
統制法案の通過しなかったことによって利益を受けるものが、いわゆる農村商人だという結論は大部分割引きされねばなるまい。