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げんだいにほんのしそうたいりつ

現代日本の思想対立

戸坂 潤

「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页

青空文庫

ので、科学は、「科学の批判にまで、そしてそれを通して一般の事物の理論的(哲学的とも云う)批判――評論――にまで根を下ろすことによって、初めて発生出来たものだし、又生長することも出来る」のだから、科学のジャーナリズムはあくまで科学の科学批判を通してこそ正しい発展がある筈だ。だから、近時とりあげられてる個別科学者の批判にしても、科学として発展するためには、あくまで科学的批判でなければいけないのだ。実際、大衆が科学者に待望していることは、科学者が科学批判をふりかざしてジャーナリズムに躍動することだ。でなければ相変らずジャーナリズムは、卑俗化に堕してしまう。幸い、数年前「岩波」から『科学』が月刊されるようになり、その「巻頭言」で、多少なりとも科学批判がとり上げられるようになり、殊に最近は科学のジャーナリズム、国際性の問題を論議しているのは注目すべきだ。また岡邦雄や、戸坂潤らが中心になっている「唯物論研究会」のグループの人々が、『唯物論研究』や、その他一般ジャーナルを通して、科学論、乃至科学の批判が溌剌となされ、自然科学を唯物史観、乃至は自然弁証法を以て把握しようとしている。