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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页
三五年七月三十日付)。之も亦文化的社交組織と経済的利益組織との混淆であって、労働組合と「修養会」のようなものとが接合されたものに他ならない。経済的な労働組合が文化的「協会」の面目を持つ処が、文化統制のメカニズムの秘密を物語っている。――文化の向上の名に於て、文化活動や政治運動や経済的職業的利益が、掣肘され制限されることが「文化統制」の意味なのである。
文化統制は日本のように官僚機構が強権的に発達している社会では、イタリアやドイツのような非文化的な刺激を与えずに、一見甚だ文化的に実行に移されることが出来るから、「文化統制」は益々ゴムの棍棒のように有効無害な日本文化ファシズムの武器となるのである。
でこの点から見る限り、例の国体明徴の運動などは、それが文化統制の典型的なものであっただけに、やや露骨に過ぎて却って大して有効ではないかも知れない。少なくとも憲法学者協会でも造り、憲法学者の制服でも制定し、憲法省でも設け、一等憲法学者、二等憲法学者という区別でもしない限りは、充分に「日本文化ファシズム」的にはなり得ない。
文化統制の赴く処無限である。服装は文化の端的な現われで一切のものが制服文化の内に吸収される、ただの文化では文化以外のものは吸収され得ないが、制服という文化の内へは一切のものが、経済的利害も政治運動