轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
せいとしとのきろく
生と死との記録
豊島 与志雄
「帝国文学」1918(大正7)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,961 字 · 39 页
男は病院に泊ることを許さない規定だったが特別に許された。
S子さんは帰ったが。そして後で、常蒲団や襁褓を届けて来た。看護婦の蒲団は病院で借りることにした。
八時半すぎにU氏がまた見舞って来られた。
「疫痢ではありませんでしょうか。」と私は聞いた。
「いや疫痢は三四歳以下の幼児には殆んどありません。激烈な消化不良ですね。長い消化不良の後には恢復期によく急激なのが襲うことがあります。」
「意識は殆んどないようですが。」
「そうですね。中毒症状を呈したのです。中毒と云っても、食物やなんかの中毒ではありません。病毒が脳を侵したんですね。」
私はもうそれ以上何も聞く必要が無かった。その上看護婦に向って、便は兎も角も消毒するようにとU氏が云われた言葉が、私達の耳にも留った。
然し私達は落ち附いていた。そしてただU氏に頼るの外はなかった。外国人を思わせるようなU氏の風貌と、その大きい体躯と、その穏かな言葉と、世に定評のあるその手腕とは、私達をして十分信頼せしむるに足りた。
「S君の御友人だそうですね。」とU氏は云われた。「S君の子供も最近肺炎で入院していました。」
私達は力強くなった。