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せいかつのなかにあるびについて
生活のなかにある美について
宮本 百合子
「アトリエ」1941(昭和16)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,372 字 · 9 页
現在既にそうなって来ているのだが、これからは益々、日常生活の中にある美を守勢で擁護して行こうとしても消極に陥るばかりだと思う。生活の中に喪われてゆく従来の美しさへの郷愁で、手工業的なものの趣味に愛着する傾きも、今日の社会の一部にある美の衰弱を語っている徴候だと思う。
私たちは、めいめいの生活に即し、そこに動き流れる表現として造形的な美しさをも捉え創り出してゆく心の抑揚をゆたかにしたいものだと思う。ものを美しく精髄的につかうわざを会得してゆきたい。美しいものもそれが一定の関係の下では醜いものと転化してゆく、その瞬間に対して敏感でありたいとも願うのである。〔一九四一年七月〕