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おとこぎらい

男ぎらい

豊島 与志雄

「苦楽」1949(昭和24)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,878 字 · 18 页

青空文庫

さっぱりしたものだ。」

聞いていて私は極りわるいよりもむしろ、呆れました。毎朝水で洗うことも、パンツ一つない素っ裸で寝ることも、どちらもへんなものです。

けれども、それはそれだけの理由があるに違いありません。つまり、そんなことをしなければ、股倉がさっぱりしないのでしょう。そんなことをしなければならないほど、股倉が、……なんと言ったらよいか、まあ、陰湿なのでしょう。そうです。男の股倉はみんな陰湿なのです。だから、いつも両股をひろげて、風通しをよくしたいのです。両股を女のようにつぼめて、風通しを悪くすると、ますます陰湿になって気持ちがわるいのです。

女の方が不潔だなんて、どうして言えますか、女はいつもさっぱりしたものです。男はさっぱりしていないのです。股倉が陰湿なんです。不潔ではありませんか。陰湿な不潔さ、そこからも男くさい臭いが発散してきます。

裸になると、男より女の方が不恰好だと言われています。それはそうかも知れません。胴のわりに足が短く、尻が大きくて、恰好はよくないかも知れません。けれどもそれを女は衣裳で補っております。衣裳は単に、寒さ暑さを防ぐだけのものではなく、姿を美しくするためのものでもありましょう。