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だんじょこうさいよりかていせいかつへ

男女交際より家庭生活へ

宮本 百合子

「女性日本人」1922(大正11)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,488 字 · 35 页

青空文庫

若し右のような不文律がなければ、交際社会に出た許りの十七八の娘は、如何程危険に曝されなければならないか分りません。どんな男性が、どんな心情を抱いて接近して来るか、日本などより遙に多い危険が、女性自身の矜持で防止されているのです。

斯様にして交際しているうちに、多くの異性の中には、特に自分に興味を持ち、真実を抱いて来る者、又自らも抱く者が見出されて来るのが自然でありましょう。十人十五人の中では、先ずあの四五人が、真個に自分とは話も合い、心持も調和する。そう、あの四五人の中では――誰と、次第に時が選択を進めます。そして、何時とはなく、双方がより多く会う機会も持ち、より深く知り合い、愛敬し合い、愛人となる場合が多いのです。

人間が真実に一人の異性を愛した場合、結婚は次に来る最も自然な結果だと思います。自分のこれ程愛する者と、どうかして共通な、心も身も団結した生涯を送りたい。愛する者ともろともに生きたいと云う切な願が起った時、人間が人間である間は、結婚ほか道がなく思われます。自分の愛も深まり、相手の婦人の愛も知り得て、始めて男子から、求婚を申し出ます。