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だんじょこうさいよりかていせいかつへ

男女交際より家庭生活へ

宮本 百合子

「女性日本人」1922(大正11)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,488 字 · 35 页

青空文庫

先ず、男が相当な地位に上るまで、或は職に就き得るようになる迄、互に確かな婚約を守って待っている。傍、女性の方も、学校の教師になるなり、事務所に務めるなり何なりして、力相当の蓄積をする。そして、二年なり三年なりの後、安全な基礎に立って生活を始める。日本の風習では、そんな場合、何故、娘なり息子なりの両親、同胞が助けないか、と云う質問、何故、僅かの間、良人の両親の家に起臥は出来ないのか、と云う疑問が起るかもしれません。

助けないのは、薄情からではない。親も、若い者達も、自分達の生活を、他人の厄介で営むような恥かしさには辛抱が出来ない。我々が結婚するからには、我々で生きて行くのだ、と云う、確信があるからなのです。非常な富豪とか、又、一部の交際社会、所謂派手者の間では、親から財産を分与され、二十一で、お雛様のような結婚をする男もないではありません。

けれども、多数を占めている中位の青年男女は、結婚の問題が起った時、果して自分等は自立して、一箇の家庭を営み得るか否かと云うことを考えずにはいないのです。幸、女子が何か職業を持ってい、その収入と合わせれば、優に二人の生活は保障されると云うような場合、事は容易に運ぶかもしれませんが、婦人が左様なものも持たず、又結婚後、家庭外に職業を持つことなどをよしとしない意見を捨てない