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だんじょこうさいよりかていせいかつへ

男女交際より家庭生活へ

宮本 百合子

「女性日本人」1922(大正11)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,488 字 · 35 页

青空文庫

妻の要求も良人の要求も、同量の重みを持っている。妻のそれを満すことが目下より容易いことであったら、先ずそれを先にし、後良人の方に取かかる。又、場合によっては、それが逆になるようなこともありましょう。お客があって、妻が丁度話しに身が入った時、紅茶を出すべき刻限になった。良人が立って行って、先刻妻の準備して置いた道具を持って来、それに湯を注ぐ。気がついて、夫人も話しながら体を動かして、菓子やその他を配るでしょう。

何についても、斯様な、安らかな協力があると思います。下婢を雇わない二人ぎりの家庭では、必ず妻が独りで食事の準備をすべきものとは思っていません。一緒に、何でも二人のために都合よくと考えて行動します。故に、或る場合には、大局に於て結果のよい為に、小さい不便を忍ぶことが双方にあるでしょう。それは、二人の負う義務並に責任で、決して相すみません、と云わなければならないことではありません。互に為すべきことを明に弁え、正しく賢く着々と生活を運転させることが彼等の理想であって、理由のない遠慮で仕事も遅らせたり、過度な感情に沈湎して頭を乱すようなことは、見識のない無知として斥けずにはいられないことなのです。