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だんじょこうさいよりかていせいかつへ

男女交際より家庭生活へ

宮本 百合子

「女性日本人」1922(大正11)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,488 字 · 35 页

青空文庫

の公園近くの閑静な場所に移る。玩具は、誕生日、名づけ日の祝とクリスマスなどによいものを買ってやる丈だけれども、夏には健康な田舎に避暑をして、単純に自然な田園の生活を経験させる。

教育方針に対しても、小学校から大学までを順序よく好成績で経なければ、社会人として価値低い者と云うようなペダンティックな考えではなく、所謂学問は、希望次第、能力次第で何処まででもよい。兎に角、一人の公民として立派に生活して行ける丈の実力がありさえすればよいと云う実際的方面から向って行きます。そこに、アメリカ人の実に自由なよい処と、又、実に堪らない俗臭とがある訳ですが、親が、子供を、或る年齢で一人前と認め得ることを理想として育てる処はよいと思います。

幼年時代から、両親は彼等の能う最大限の愛と努力と研究とで、徐々に、一箇の人としての基礎を子供等に与えてやる。学校は、広い常識と箇々の性格による専門的傾向を暗示する。そして、或る者は丁年になった時を、或る者は専門教育を終了した時を、新たな独立的生活の第一期と定め、それからは、生活方針を完く子等自身の意志によって支配させます。成長して子等も一箇の人間として立ったと云う感銘は、著しく我国に於けるそれとは強度を異にしているように感ぜられます。