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まちはずれのあきち

町はずれの空き地

小川 未明

「教育行童話研究」1937(昭和12)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,474 字 · 5 页

青空文庫

」と、立雄くんが、いいました。

「僕はね、松の木くん、君はいつも地の上で平和に暮らされてうらやましい。美しい鳥が止まったり、子供たちの遊ぶのを見たりして、愉快だろう。私は、風に吹かれてこうして、海の上や、野原の上を、毎日あてなく飛んでいると、雲がいっているのだと思うな。」と、博くんが、いいました。

そのうち、おひるの汽笛が鳴ったので、二人は、草の上から起き上がって、あちらへ歩いていきました。

近ごろになって、この原っぱへきはじめた、コリントゲームのおじいさんが、今日も店を出して、まわりには、もうたくさん子供たちが集まっていました。そして、赤い風船玉が、ふわふわと幾つも台に結びつけられて、キャラメルや、あめの棒などが、そばに置いてありました。

二人は、立って見ていました。

すると、このとき、あちらで、カチ、カチという、拍子木の音がしました。

「あっ、紙芝居がきた……。」

「黒い眼鏡のおじさんだよ。」

子供たちは、口々にそういって、たちまち、おじいさんの、コリントの前からはなれて、あちらへ走っていきました。立雄くんも、博くんも、やはり同じであったのです。

活動の弁士上がりであった、紙芝居のおじさんは、説明がなかなか上手なので、子供たちには、たいそう好かれていました。