轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちょうないのにてんさい

町内の二天才

坂口 安吾

「キング 第二九巻第一四号」1953(昭和28)年12月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,836 字 · 26 页

青空文庫

タルミがない。

そのくせ、見れば見るほど、貧相である。まさしく脳膜炎の顔である。まるでナメクジのようにダラシがなく溶けそうな顔だ。シマリがない。ジメ/\といつもベソをかいているような哀れな様子である。

「造化の妙だなア。生き馬の目をぬくような機敏な才がどこに隠されてるか、とうてい外見では見当がつけられない。なるほど、これじゃア人々が油断する。賭け将棋の商売人がひッかかるのもムリがないし、彼らが懐中物をすられるのもフシギがない。生き馬の目をぬくために生れてきたような小僧だなア。一見したところ、否、ジイーッとみつめても、ナメクジよりもダラシなくのびてやがるだけじゃないか。メメズ小僧とはよく云った。ドブから這い上ったような奴だ。アッ。いけねえ。懐中物は無事かな?」

と、天元堂はハッと自分の胸を押えて、目玉を白黒させなければならない始末であった。

あつらえ向きのガキを発見したから、天元堂はよろこんだ。さッそく立ち帰って、これを金サンに報告したから、金サンも有頂天になって、よろこんだ。

「ありがてえ。はやくそのガキを一目見たいね。つれて帰ってくればよかったのに」