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ちょうないのにてんさい
町内の二天才
「キング 第二九巻第一四号」1953(昭和28)年12月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,836 字 · 26 页
お前の子供じゃア、とてもモノになる筈がねえや」
「お前はどうだ。鉄棒にぶら下ると、ぶら下りッぱなしだったなア。牛肉屋の牛じゃアあるまいし、それでも今日テンビン棒が一人前に担げるようになったのはお天道サマのお慈悲だなア。その倅が、クラゲの運動会じゃアあるまいし、職業野球の花形選手になれるかよ。草野球のタマ拾いがいいところだ」
「今に見てやがれ。十年の後には何のナニガシと天下にうたわれる花形選手にしてみせるから」
「十年の後にはウチの正坊は天下の将棋の名人だ。オイ。野郎の背中に塩をぶちまいて追ッ払っちまえ。縁起でもねえ」
こういうワケで、両家の国交断絶と相成ったのである。
源床が魚屋の発狂を云いふらすこと
当節は日本中に豆天才がハンランしているようである。目の色を変えているのは親だけだ。そのほかの誰も天才だとは思わない。むろんそれで月謝を稼いでいる先生も。ヴァイオリンの天才。バレーの天才。歌謡曲の豆天才。どれといって親の熱に変りはないが、特に熱病がハデに露出しているのは野球なぞかも知れない。
「今日の打撃率は三割三分三厘だ。相手のピッチャーは年をくッていやがるから、今日はこれでよしとしておこう」