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がぼう

画舫

豊島 与志雄

――近代伝説――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,863 字 · 22 页

青空文庫

俺の…… 君の結婚式だ。そう、君と並んでみたいという者があるんだ。」

金田は一人の年若い芸妓を彼の側に引立てました。それには景雲も見覚えがありました。※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)が少し尖った、身体の細そりとした、鶯妹というのでした。鶯妹はただ扱われるままになって、にこにこ笑い、おかっぱの前髪がゆらゆら揺れました。

「ははは、よく似合うぞ、そうしてるところを、あのひとに見せたいものだ。怒られるぞ、まあ一杯飲め。」

景雲はちょっと顔を赤らめましたが、平然と幾杯も飲みほしました。

ところで、こうした乱れた宴席では、言葉があちこちへ飛び、話題も飛躍するものでありまして、中心を捉えるのに困難でありますが、ただ、金田の酔った頭には、景雲のことがなにかひっかかってるようでありました。彼は景雲を一同に紹介するのに、これが例の画舫の哲学者だといいました。また或る所で景雲が述べたという説を披露しまして、その有名な言葉として、西湖を銭塘江岸へと展開させないところに杭州の頽廃がある、というのを伝えました。そこで、西湖の風光と銭塘江の風光との比較論がちょっと出ましたが、金田はもうけろりとして、景雲へ他のことを囁きました。