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しろいあさ

白い朝

豊島 与志雄

――「正夫の童話」――

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,920 字 · 35 页

青空文庫

」とチビは感心しています。

ところが今朝早く、常見からの速達郵便が届いて、昨夜一晩寝て考えた上のことだが、期限はお待ちするけれど、ついては確実な保証人を一人たてて貰いたく、さもなくば止むを得ざる手続きを取ると、威嚇的な文句なのです。何しろ昨晩は酒の上のことで、はっきりした談合もしていないこととて、芝田さんは慌てて、電話をかけましたが、更に要領を得ません。そこで芝田さんは、先方の家まで出かけて行きました。常見は鄭重にそして冷淡に、手紙と同じことを繰返すばかりです。それから話の合間に、さも内証事らしく声をひそめて、実は並河が、後妻にだが駒井さんをほしがっているし、この縁談をおまとめになりませんかと、そそのかします。この縁談がまとまれば、お貸ししてる金額くらい、いやそれ以上、並河に出させます。並河の執心は深いもので、既に昨晩、それとなく駒井さんに当ってみたらしいですよ。なんかと、薄ら笑いをしています。芝田さんは呆気にとられました。

芝田さんは呆気にとられて、それから途方にくれて、弟の康平さんの事務所をぼんやり訪ねていきました。康平さんは弁護士で、これまで何度か迷惑をかけてるのですが、またのこのこやっていったのです。