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しらがこぞう
白髪小僧
杉山 萠円
「白髪小僧」誠文堂、1922(大正11)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,770 字 · 194 页
と付けてある事等を、詳しく話して聞かせました。お婆さんは聞く事毎に感心をして、紅矢が天子様の御言葉に少しも反かなかった心掛けを無暗に賞め千切りましたが、なおその上にも紅矢の家や、王宮の中の模様を根ほり葉掘り尋ねましたから、紅矢は少し気味が悪くなりまして、終いには極く短い返事ばかりしていました。けれどもお婆さんは中々止めませぬ。
やがてさも勿体らしく、咳払いを一つしまして――
「紅矢様。よく教えて下さいました。御蔭で妾は貴方様の御宅の様子や、王宮の中の様子がよくわかりました。けれどもそれと一所に、妾は世にも恐ろしい災が、貴方のお身体や、貴方の御家にふりかかっている事を知りまして、どうしたらよいかと思っております」
「何。災が降りかかっている」
と紅矢は思わず釣り込まれて尋ねました。
「お婆さん、それは本当かえ」
「ハイ。何をお隠し申しましょう。妾は南の国で名高い女の占者で、今年で丁度八百八十歳になりますが、まだ一度も嘘を云った事は御座いませぬ。今ここに持っておりまする果物も、その占いに使うための不思議な果物で、今度王様が御妃を御迎え遊ばすに就いて、この世で一番賢い美しい姫君をお撰みになるように、この果物を差し上げに行くので御座います。